端的に言えばSilent Sirenが怖い
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最終更新日:2016/01/16
音楽について Silent Siren
Silent Sirenというバンドのことを最近知った。きっかけは地下室TIMESさんの記事だったんですが、Silent Sirenの記事は削除されてしまったみたいです。面白かったのに、なぜだ。
それはそれとして、Silent Sirenなのである。サイサイという略称で呼ばれるこのガールズバンドに、僕はえも言われぬ恐怖を感じる。なぜだろう。そんなことを考えながら、Silent Sirenについて思うところを吐きだしていこうかと思う。
爽快ロック
『爽快ロック』。曲名を聴いただけで、なんだか縮み上がる思いをした。背筋にズッキュンきた。曲名が『ロック』である。しかも「爽快」というコピーまでつく。
もともと、ガールズバンドとしてロックをやっている彼女らなのですが、わざわざ曲名に「ロック」をつける意味って何なんだろう、と考えれば考えるほど、筆舌に尽くしがたい恐怖を感じる。もうほんと、説明がつかなくてまことに申し訳ないんですが、怖くてたまらない。ロックバンドが曲名に『ロック』を入れるって、かなりの度胸がいることだと思うのです。ツェッペリンでいえば、『Rock And Roll』だ。
これはもう、紛れもなくロックンロールである。世の中の人間9割が、遺伝子レベルで「これはロックンロールですね…間違いない」と答える楽曲です。超ロックンロール。
まだまだ若い女子に人気なアヴリル先輩も、ロックンロールを曲名に冠している。
ロックンロールというよりは雰囲気的にもはやマッドマックスに近いMVとなっているが、マッドマックスはロックンロールみたいなものであるし、すべてのエンターテイメントを包括するシリーズといっても過言ではないので、まぁいいとしよう。歌詞としては、「あんたとアタイはロックンロールだよ」というものになっているようだ。うむ、って感じ。
で、Silent Siren『爽快ロック』に話を戻す。
ロックンロールとロックは違う。うまく言語化できないのだが、ロックンロールってアナログで、ホコリっぽいのです。それに対してロックは、別にデジタルだろうが何だろうが貪欲に咀嚼して吸収してしまうような音楽になった。いわばポップスの進化系であり、現在のポピュラー音楽の大半を「ロック」と呼ぶことが可能であるといっても、過言ではない。
それゆえに、Silent Sirenが「ロック」を名乗ることは、別におかしいことでもなんでもない。むしろ、これこそが21世紀において「ロック」そのものなのだ。もはや「ロック」なんて選民意識を感じるものでもないし、オッサンが懐かしがるための懐メロでもない。誤解を恐れずにいえば「ロック」とは「ポップス」とほぼほぼ同意語なのである。
ただ爽快ロックって曲名は怖い
でもやっぱり、Silent Sirenにどこか恐怖を感じるのは、端的にいって「このバンド聴いてる奴と仲良くなれないだろうな」という予感を強烈に感じさせるからなのだ。それに他ならない。ファンの方々、ごめんなさい。たぶん永遠にまじわらないとは思うのですが、ごめん。
ロックというものが人生にでかい影響を与えている人間にとって、ロックとはSilent Sirenじゃないのだ。僕にとってはブランキーやミッシェルがロックだし、ストロークスやリバティーンズがロックって人もいるだろう。ビーチボーイズやベルベットだって人もいると思う。そういう人たちにとって、ロックは「軽々しく口にできないほどクールで神聖なもの」だったりする。
だからこそ、Silent Sirenがこわい。主に、ファンと仲良くなれなさそうでこわい。
とはいえ、『爽快ロック』の楽曲としてのドスの効き方はすごいと思う。冒頭から「爽快ローーーーーーーック!!!!」というボーカルで入るあたりは、「紅だーーーーーーーーー!!!!!!!!(シャーンシャーンシャーンシャーン)」を感じさせる。そんぐらい強烈。
もっといえば、ロックをやりながら曲名に「ロック」がつくというのは、かっぱ巻きに「かっぱ巻き」という名札がついているように感じる。わかりやすい。ポップだ。
まとめ
Silent Sirenを決してバカにしているとか、ディスっているわけではない。ただ、ドンキの化粧品コーナーでMVが流れているのをみて、「こういうファン層狙ってるのか」と腑に落ちたところがあったので、その気持ちを忘れぬよう文章にしておこうと思ったのです。
ネットでは演奏が下手とか言われているとこもあるっぽいですが、ライブ見る限りそこまで下手ではないし、むしろ上手い。しっかりまとまっている。あんまり難しいことはしていないというのもあるでしょうが、真面目にやってるなぁという印象です。
Silent Siren。こわい。
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