「どんな音楽聴くの?」って言われて困るので対処法を考えた
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音楽について
「音楽好きなんだぁ」
「どういうの聴くの?」
…と問われると硬直しませんか? 僕は固まる。なぜか。
「どういう音楽聴くの?」が我々に与える重圧
「いったいコイツはどこまで俺を理解してくれるんだろう?」という疑念が頭をよぎるのです。好きな音楽、とはもはや性癖のようなモノ。乗っている車のようなもの。音楽好きにとっての音楽は、自分のアイデンティティそのものと直結している。
だからこそ、相手にとってもっとも効果的に「コイツはそういう趣味なのか!」と伝えられる答え方を探す日々なのです。
というわけで、僕らはどんな音楽を「こいつが俺のスタンドだ…」とばかりに教えてあげたらよいのか? という問題を考えます。
相手が「音楽よく知らない人」の場合。
質問の相手が「ふだんぜんぜん音楽聞きません」みたいなタイプだったら。そもそもそんな奴と音楽の話をするイミがあんまり感じられないので、好きなジブリ映画とかの話にもっていく努力をしてみよう、と僕は提案したい。音楽というフィールドに生半可な気持ちで突っ込んでいく必要はないのだ。こちらに地の利があるとはいえ、会話の目的は相手の制圧ではなく、単なるコミュニケーションなのだから。
少なくとも、無難な音楽についてお話ししてあげるべきであろう。わりと年齢分け隔てなく通じるモノとして、ミスチル・スピッツあたりが10年以上の鉄板である。これ言って適当にその場を流すぐらいでちょうどよい気がする。なぜなら、音楽好きな人間にとって、対して好きでもない音楽の話をしている時間というのが一番の苦痛に他ならないからである。僕はミスチル大好きなのでその辺楽です。
ただ、個人的な経験からいえばその手のバンドものを話題に出して、相手がT.M.Revolutionとかそっち系だった場合、若干対処に困るというのが本音だ。そういう時は、こっちから相手の話を聞くターンに回ったほうがはずむ。
「わりと音楽聴いてます」相手への対処法
画像からも若干のツワモノ臭がしてくるが、わりと音楽わかります系の相手に対してはどう反応すればよいのか。
多少音楽を聴いている人間は、優越感を得たいと思って話しかけているといってよいだろう。十中八九そうである。そうに違いない。とりあえず、そういう前提を理解していただきたいのである。
そう考えると、まずは相手の出方をうかがってみる必要がある。「多少音楽聴いてます」と言ってのける相手の音楽趣味が、どの程度ディープなものなのか?
もしここで、現代音楽とかノイズとか、フリージャズの名演なんかを相手が放ってきたら、もはやお手上げである。しかし、たいていの場合「ちょっと音楽聴いてます」の人間はそこまでではない。後述する「自称マニアックです」のタイプにも、ここまでの人間はいなかった。だから安心して相手の好みをうかがってみよう。
大抵、いちばんディープなところで、「地元で見たことのあるインディーバンド」あたりの名前を出してくる。そこが最深部だ。他はどうってことない。普通の音楽好きであることが多い。とすれば、あなたが次に投げてやるボールは、相手が好きそうなバンドをオススメしてやることだったり、ちょっと知らなそうなバンドに手を伸ばさせてあげるような会話運びである。
ここで、相手を屈服させようとしてはいけない。相手も人間だ。相手にはソフトタッチに、だが若干の上から目線で音楽を教授してやることが出来る。教えるものは特になんでもいいのだが、適当にブリットポップとかスウェディッシュポップを推薦しておくと、デトロイトメタルシティみたいな人間関係が築けるのでオススメである。
ちなみに、バンド好きな女には割とロクな人間がいなかったので、こちらも参考までに覚えておいてほしい。
あと音ゲーマーなんかもこの辺に入りそうな気がする。そういう連中にはたった一言、「お前の言ってるテクノはテクノじゃない」と言ってやると絶命する。とても簡単な二フラムが可能なのでオススメだ。
「音楽ガチ勢」への対応
ついにラスボスだ。相手が明らかな楽器経験者だったり、元バンドマンでした、みたいな人間。これらの人種は高確率でコジらせていることが特徴のひとつで(かくいう私自身がそうなので間違いない)、相手にすることが極端に面倒な場合も多々ある。
とにかく、連中のイメージとしてはギタリストならガンズアンドローゼスをやたらに信奉していたり、ビートルズ至上主義だったり、かと思えば唐突にももクロにハマり出したりと多岐にわたる進化を遂げてきている。
かくいう僕も、ロックは好きだがジャズやクラシックになるとさっぱり話が出来ない。ただ、ロック好きな人間とクラシック好きの生活圏はほぼ重ならないので、あまり考慮しなくてよいかと思われる。淡水魚と海水魚の差みたいなもんで、住んでる水が違うのである。
というわけで、ラスボス系音楽野郎に引導を渡すのはなかなかに困難だ。クリティカルヒットさせない限りは一撃で黙らすのは難しい。それどころか、生半可な答え方をすれば、相手に見下されて終了、というウィザードリィみたいな運ゲー的緊張感が伴う。
ここでオススメなのが、「必殺・原点回帰」「奥義・ポップとゲテモノ合わせ」である。
原点回帰とは、「結局ビートルズとかクイーンとか、あの辺に戻っちゃうんですよね」みたいな言いぐさのアレである。この言い回しをしてやることで、さも「私は様々な道を歩んできましたが、本当の音楽の価値というモノを知っています」アピールが可能になる。これに異議を唱えてくる奴はほとんどいない。追い打ちとして「でもザ・フーだけは苦手なんですよね」とか言っておけばより弾幕が厚くなる。
更にもう一本の伝説の刀は、「ポップなもんとゲテモノを同時に紹介する」である。例を挙げれば、「最近はセカオワと筋少と戸川純ですかね」みたいな攻撃だ。音楽界における「変態」という呼び方は褒め言葉として機能しているので、そこを逆手にとってやろう、という作戦である。
このとき紹介するのは、ポップなものとハードなものの差が広いほどよい。西野カナと平沢進ぐらいの距離感があれば合格だ。
もしあなたが女性であるなら、相手を黙らすために椎名林檎の狂信者であることを伝えるのも有効な手段である。相手が「あっ…(察し)」という顔になったら勝利確定である。
具体例
結局のところ、僕はなんて答えるのか。かつて年下の女の子にミッシェルガンエレファントを薦めたら、まったく知らないと言われて泣きそうになった。そんな経験からこんな記事を造ってみた次第だ。ここからは、「こいつやるな」と思わせるための楽曲なんかを紹介して、この記事のシメとしたいと思う。
ジャーニー
音的にはかなりハードロックが入っているものの、メロディと雰囲気がドのつくほどPOP。すさまじいまでのアメリカ臭が、ザ・洋楽であり、ザ・オッサンなジャーニーであるが、すさまじく有名バンドで例の映画曲なんかもあって知名度がヤバい。曲だけは知っている人口が多いので、意外なところでこれはウケが良い。というか最近私が延々聴いているだけです。
レディへ
このころのレディへは、実にメンヘラ感があってよい。「これは何、そういう宗教なの?」みたいな感じで会話が弾むこと請け合いである。大丈夫、聴けば慣れる。
スクリレックス
ンベベベwwwwwwンベベベベqwwwwwウィーポポポwwwとか言っておけば次第に友達になれる。
戸川純
これを笑うか笑わないかで、そいつの人間性が問われるように思える。戸川純の秘めたるすさまじいエナジーを感じるアンテナがあるかどうか。
ビョーク
結局最強なんじゃないかという気がする。
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