漫画で金を得る方法~web漫画の収益化~
最近新しい肩書として、「インターネット漫画マン」というものを考えました。Twitterのプロフにしました。カルロス袴田です。
ベースは「インターネットカラオケマン」ですので、自虐的な要素をたっぷりと含んではいるのですが、なんとも言えない先行きの見えない響きが悪くない呼び名だなぁと自負しています。
さて、漫画で金を得る方法を考えよう。みんな、漫画で金をゲットしたいだろ? 言えよ、ほら。
そんなわけで、漫画で金を得る方法を考える。
単行本を出す
そこまでいけたらかなりすごい方なので、もう小細工を考えることは抜きにして、作品に全力を出してくれ。
賞をとる
僕を含むアマチュアにとって、いちばん手っ取り早く漫画でお金をゲットする方法だと思う。大賞とかとっちゃうと、その額じつに100万円とかにもなる。まったくもって、夢のある話である。僕もかれこれ、投稿は3回ほど経験がある。実際マネーになったのは1万円だ。アシスタントしてくれた友達に焼肉おごって消えた。それから他人と漫画は描かないことに決めた。
しかしまぁ、漫画家を目指すうえでの王道とも言える「漫画賞の受賞」。双璧をなす「編集部への持ち込み」に比べて、かなりハードルが低いことも事実だ。僕なんかは地方在住というのもあり、なかなか持ち込みにまでは及べない。なにより持ち込みなんかして、目の前で原稿を燃やされたりすればコトだ。豆腐メンタルが爆裂四散してしまう。
ですから、多くの奥ゆかしい大和撫子的気質を持った漫画家志望たちには、ぜひ漫画賞への投稿を試してみていただきたい。「俺超うめーわマジ、これ大賞確定です、はいーワンピースとタメ張りますー」とか思って送って、箸にも棒にもかからない現実を知るためにも。
とはいえ多くの漫画家志望が、なぜか漫画を描かない。なので、クォリティの高い漫画を応募して賞を手に入れる、というプロセスを実現することの難しさは、果てがない。
最近では、ウェブでの漫画投稿なんかも出来るようになっている。僕も投稿しました。新曲、『鋼鉄魔人ガルガンチュアの怪』聴いてください。超面白いので。
郵便局で漫画原稿を送るあの優越感は、さながら名作『まんが道』。ウェブサービスでの投稿はそれに比べ、ドキドキ感は薄れるものの、気軽さが何よりのメリットでございます。ピクシブなんかでもしょっちゅうイラコンの募集かけてますから、そっちの道もいいかもね。
僕がジャンプルーキーに応募した最大の理由は、他の投稿者の作品が丸見えであることですな。これもウェブならでは。雑誌の投稿作品って、基本的に1カットぐらいしか見れなくて、実際どんな漫画描いて受賞に至ってるのかというのが不透明なのです。最近はウェブで公開されることも増えましたが、ジャンプルーキーは全部見れますからね。びっくらこきのすけです。
ということで、ネット上の投稿サービスを利用してみるのはおすすめです。ジャンプルーキーはジャンプ編集部も目を通してくれているとのことですし、作品が埋もれすぎて困る! というピクシブみたいなことも少ないです。
ジャンプルーキーのステマみたいな内容でしたが、とりあえず賞に投稿をするメリットはこんな感じ。
ですが、漫画賞に投稿し、賞を受賞。デビューしたはいいものの、そっから金が入るまでがまた長いと思われます。要は、雑誌に載ったり単行本が出ないと基本的にお金が発生しません。そこをどうするか。はい次。
同人誌描く
ここ数十年、じつは「もっとも儲かる漫画の描き方」なのではないか、とさえ言われている同人誌。コミケに代表される、同人誌即売会は全国各地で規模はさまざまですが、開催されまくっております。デジタルの波がパンハネー! とはいえ、まだまだアナログの市場は強いです。
今年の夏コミの来場者数は55万人。世界最強の美術館として名高いルーブル美術館の来場者数は、1日あたり約1万5千人。ルーブルすげぇ!!!!!!
というわけで、僕も2011年あたりから友人と同人誌を描いています。サークル名は生ビール達人の店。構成員全員が、自らを天才と信じて疑わないクソみたいな落書き野郎どもで、初出店した夏コミ2012にて新刊が3冊程度しか売れなかった快挙を達成。うちのサークルの凄いところは、それでもまだ漫画を描きつづけているという点にあります。バカです。今年の冬コミも申し込みました。
ってことで、同人誌売るにしても、最低限の画力やマーケティングは必要です。描けば売れる時代はとうに過ぎております。
何より、同人誌即売会に参加してもっとも悲しいのが、立ち読みすらされないという悲惨な状況。これがいっちゃんキツい。表紙を描いていたのが9割僕である、というのも非常に責任を感じる次第です。なにしろ読まれもしない漫画というのは、評価はおろかディスられることもないのです。
即売会は当然ながら、ブースとして出店できる時間にも限りがあります。横にはめっちゃかわいい絵を描く人がズラリと並ぶ。そんななか、自分の描いた同人誌をアピールして手にとらせ、貴重なマネーを使っていただく。ここまで成功してはじめて同人誌は売れるのです。めっちゃ大変。「いかに目を引くか」「いかに考えて題材を選ぶか」といった、先鋭的な発想が求められます。実際にモノが並ぶということは、その競争がより苛烈になるということを示します。
なので、同人誌を売るというのは、なかなか楽しいことではありますが、めっちゃくちゃ大変です。同人誌で稼ぎたい、という方はその辺をよく勉強しないといけません。僕はきっついです。
じゃあどないすんねん
って思ったでしょ?
今後可能性があるのはインターネッツだと思うんですよね。やっぱり。web漫画という呼び名が、もはや特定のジャンルと化している昨今。「web漫画っぽい漫画」がウケる時代は来ています。
webで漫画を発表するぜ!
「だからニュー速でやるお!」みたいな言い方になってしまいましたが、僕はweb上での漫画作品の公開に、ものすごく可能性を感じております。とはいっても、先人たちはとっくに目をつけているんですけどね。佐藤秀峰先生とか、いち早くご自身で『漫画on web』を立ち上げております。大胆不敵な名前でカッコ良すぎる。
宣伝:カルロス袴田の初web連載『リバーサイドティーンズ』大好評 休載中!
最近、「おぉ、すげー!」と思ったやり方が「Youtubeで漫画を公開する」という手法。
黒田サンセットさんの、『薬術士』という漫画です。最初は普通にwebで漫画として更新していたのですが、収益化を目的にYoutubeでの動画として公開。BGMや効果音といった要素もありますし、視線誘導も意のままにできております。これまで、大手のweb漫画サービスではこういうやり方はたまに見かけましたが、なかなかアマチュアでやってる人は少ないです。
※2015/09/06追記
薬術「士」が正しいです。(「師」で表記していました。ごめんなさいぃぃい)
漫画を漫画のまま、自分のテンポで読みたいという方にはあまり受けないかもしれませんが、アニメ好きな層には反応が良さそうと思われます。個人的には、画像で読みたいかなーとも思ってしまいますが。
とはいえ、動画が再生されると収益化できる可能性は高まりますので、これはぜひ成功してほしいモデルです。
SNSもあるでよ
noteというSNSをご存じでしょうか。テキストや画像、音楽なんかを自由に投稿できるSNSです。noteが珍しいのは、自分が投稿したコンテンツに自由に価格を設定できること。漫画を投稿したら、3ページ目までは無料で、そっから先は100円です! みたいなこともできます。
さらに言えば、ロックバンドのくるりは、有料のファンクラブをnoteで展開。アーティスト・UQiYO(ウキヨ)も、noteでのファンクラブを作っております。
外部リンク:UQiYOと加藤貞顕に学ぶ、ネット時代の作り手とファンの繋がり方
ファンクラブとひとくちに言っても、月500円で参加できるものや、1万円のコースも。料金によって、メンバーの楽屋ショットが観れたり、メンバーの機材搬入が手伝えたりと、コアなファンほどコアな支援ができるというシステムです。
漫画家でいえば、『ねぎ姉さん』『寿司 虚空編』『さいはて』の小林銅蟲は、公式サイトでPaypal決済によるカンパを募集中。もっともこれだけでは食えてないと聞きます(定かではない)。
うちのサイトも
我がブログも、なんやかんやでやってます。他と若干違うのが、漫画だけではなくブログの記事とか楽曲の公開もコンテンツであるということでしょうか。やりたい放題です。
まとめ
漫画を公開できる場所が多様になり、漫画で成功する手段も増えつつあります。ぜひとも、いろんな方法を試してみたいものです。
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