絵が上達する近道を考える
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最終更新日:2016/01/16
漫画について
絵が上手くなりたい。それにしてもなりたい。とにかく上手く描けるに越したことはない。
絵が上手くなるには
①実物を見て描く
②上手い人の絵をまねて描く
たぶんこの2つを延々繰り返していくと、絵がめっちゃ上手くなる。短期的にそれっぽい絵が描けるようになるためには、デッサンを飛び越して模写でもすればいいのではなかろうか。
ただ、上手い人の絵に限らず、絵というのは「他人が描いた絵」というものになる。つまりは、デッサンの対象を海外小説とするならば、絵はそれの翻訳ということです。
原文を読まずに翻訳だけを読む。そうすると文章は書けるようになりますけども、原文のニュアンスはわかりません。絵にもそういうアレがあって、だから漫画ばっか読んで模写してる美術部のあのコが、美術の時間に描いた絵は「写実的じゃない」なんて怒られたりするわけです。まぁ昔の僕ともいえるんですけども。
絵をそれっぽくする
僕はデッサンというものをひたすらないがしろにして生きてきたヤンキー野郎なので、やはり絵が上手くない。少なくとも、僕より上手い人間はごろっといる。もうジャガイモのようにいる。困ったものですが、まぁ嘆いても仕方がないから絵を描く。
ところで、花沢健吾のデビュー作を読んだのですけれども、すごく上手でした。というよりも、新人っぽくはありつつも、かなり漫画漫画していた。それがすげーなぁと思う。
漫画の絵、という感覚を読者に与えられる絵は強いのだなーと最近思います。それを「華」とでも呼ぶのでしょうか。とにかく、漫画っぽくて読者の目を引く絵。
売れてる漫画というのは、やはりたいていそういう絵をしていると思うのです。お、漫画や! と誰もが直感する何か。
だから、漫画の絵の参考は、ゼロからはじめるならやはり漫画なんだろーなという結論です。細かく言っていけば記号とかの話になるんでしょうが、僕は不勉強なのでその辺はわかりませんけど。
丁寧であれ
もう一つ、最近ものすごく実感しているのは丁寧さ。
これは中村佑介先生の「イラスト教室」でも言われていたことですが、丁寧に描かれていない絵は読者に嫌われます。
丁寧に描かない、というスタンスをベキっと貫くならばそれでいいのかもしれませんが、読者に読んでもらうひとつの礼儀としての丁寧さというのは必要なんじゃないかと思う。コンドームつけるのとか挨拶をするのとかと、同じように。
ドロヘドロなんかはノイズだらけのすごい情報量だけども、あれをへたくそな絵だと思う人はあんまりいないと思うし、ああいうじめっとしてて汚そうな世界観にはバッチリ合っている。
速筆で有名な鈴木央とか真島ヒロ、久保帯人なんかも、やはり丁寧には変わりない。それでいて全員ものすごい勢いのあるペンタッチですとか構図で、いかにも少年漫画って感じの熱さを感じる漫画です。
速い人に憧れるのは良いことだと思うのですが、それで作品を未熟なまま放り出すというのはよくないことなんじゃないかと最近思います。僕もペン入れの速さだけで生きていこうと思った時期があったのですが、かけるべき時間をきっちりとかけてやるのが作品と作者の対等な姿勢なのではないか、みたいな高尚なことは考えていません。半分考えてます。
でも、やっぱ手抜きするよりも真剣に描いたほうが楽しいし疲れるから、夜も眠れますよ。おすすめです。
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