希望の手触りを感じろ
坂爪圭吾氏の、『希望が与える力について』の話を読んでからというものの、「希望」というもののパワーについて考えている。
希望のために全てがあるのではないか
自分にとって、希望とは「幸福」のことです。もっといえば、幸福の可能性。それは具体的にいえば、良いアイデアが浮かんだ時や、絵を描いていて訪れる「覚醒」の瞬間です。それらの瞬間、僕は誇張でもなんでもなく飛び上がるような高揚感を得ることができるのです。
最近、僕はなぜ生きてるのかという問いを、その辺に見出しつつある。本質的に人間には生きる意味なんてないし、ひまつぶしでしかないわけですが、いわば『最強の暇つぶし』を見つけたような気分で生きています。「これさえあれば一生潰れないだろうな」という感じがある。潰れない、というのは人間的な意味で。
僕は他人よりも幸福の沸点が低い人間なのです。自宅でそばを茹でて食っても美味いし、ビール一本飲みながらライムスターの『ちょうどいい』なんかを聴いてると、最高に気分がよい。
ここ数か月、完璧主義が人間を腐らせるんだろうなーという結論に至っている。それは、完璧主義の人間がもつ幸福の沸点がものすごく高いからに他ならない。「こうじゃないといけない」という基準が高いのです。それは他人の目を気にするように育った呪縛であるし、そうなることを自ら選択し続けてしまったからなのだと思うけども、とてもしんどいことだと思う。
かくいう僕もそのタイプの人間だったのだけれども、ここ1年ぐらいで考え方がだいぶ変わった。思うに、色々本を読んだり音楽を聴いたりする時間が増えて、一人でものを考える時間を多く設けられたからなのでしょう。一人でいる時間は大事なのだと実感しております。
一人で過ごして得た考え方は、食生活や睡眠もディープなところから変化を及ぼして、そのせいかかなり健康的になった。しばらく死ぬ気がしない。酒びたりのあの日々がウソのように、毎日体調がよい。7か月間ラジカルにお酒を断ったことも、かなり良い効果があったのだと思える。今はビールがクソみたいに美味いし、酔うためにアルコールを摂取しなくなった。
食事はそれ自体を味わうためにあるし、睡眠は安らぎのためにある。嗜好品はリラックスしたり興奮したりするためにあるんだけども、それらすべてが実はもうひとつ上の段階のために存在しているんじゃないかという考えも最近、ある。それは冒頭で述べたような、希望へと向かうために他なりません。
日々の飯、布団、タバコや酒に深い満足を得て過ごしていけば、やがて心身ともに良い状態になる。そうなっていけば、より希望が得やすい生き方になっていくのではないか、と最近考えている。
それは休みの日や給料日、ボーナスを楽しみに生きていくというサラリーマン的幸福ではなくて、毎日を満足のいくものにしていくという発想です。すべての人間にとって毎日がこんな風に希望に満ち溢れていれば(=僕のようなアホばかりならば)、世界が冗談抜きでもっと良い場所になるんだろうなという気がする。
希望を得る生き方
よく「ネガティブ思考はイクナイ」とか、「もっとポジティブになれ」とか自己啓発では言います。でも、そんな風に言葉尻だけでは伝わらないことが多すぎると思うのです。ポジティブになることは、希望を得るためには必要なことなのですけれど、ポジティブにものを考えたからといって幸せになれるとは限らないのです。
人間が良くなっていくためには、もっと様々な要因が生活のなかで結びついて、その結果として訪れる希望の感触を肌で感じる必要があると思う。それは他人から教わるようなもんじゃない。このブログ読んで得られるようなもんでもないと僕は思う。でも、ある一つの考え方としてとらえてみてほしいなーと思うのだ。
さんざん言っていますが、「完璧よりも進化しよう」という言葉がもっともふさわしいと思います。映画『ファイトクラブ』のセリフです。
完璧に幸せを求めるのは、息苦しいと思うのです。完璧なんて、ワンミスで崩れるじゃないですか。人間だれでもミスるわけだし、そう考えると究極の完璧というのは究極に不自然でしんどい。
だったら、ミスってもいいから突き進んだほうが、きっと何かを得られると思うのですよ。本当の意味での失敗とは、死ぬまで立ち止まり続けることに他なりません。それ以上の失敗なんて存在しないのです。だから、どんどんミスりながら進んでいったほうが面白いです。
また坂爪圭吾氏のブログで恐縮ですが、「センスのある損」についての話がしこたま面白いので、これもぜひ読んでみていただきたい。
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