オタクのノリについて感じること
スクールカーストの影響というのは、計り知れないもんだなぁと最近思う。
①オタクとスクールカースト
この国がつくったシステムはうまく機能しているようで、
21世紀の昨今においても、
学校生活は社会生活の縮図足り得ている。
スクールカーストというのは、
いわば学校内での人間的序列を指すわけですが、
簡単に言えば
イケメン・リア充・かわいい系ギャル
がスクールカースト上位に位置するのに対し、
今ドキの子たちからすれば「陰キャ」
に属するのがスクールカースト下位となる。
僕なんていうのは、
もれなくスクールカースト下位だったわけです。
不思議なもんで、
僕がガキだったころ、
スクールカーストの同列にあった人間たちは
みんな同じような趣味を持っていた。
今でこそアニメや漫画なんて、
誰でも見てるもんになりつつあるけども、
当時はなにせ『電車男』が世間に受け入れられたのが
奇跡のような出来事に感じられたような時代です。
時代、といっても10年前のことですので、
あれは過渡期みたいなもんだったんだろう。
当時の僕といえば14歳の多感な時期で、
人の目を盗んでは桃井はるこの歌う楽曲で幸せになっていました。
当時のオタクの雰囲気は、
ゼロ年代の大学オタクサークルを描いた大名作
『げんしけん』初期がばっちり描いていると思う。
最近の『げんしけん』の変わり様がイヤだ、
って人も多いかもしれないんだけど、
あの変わり様自体が実は世相を映す鏡のような役割をしていると
僕は思います。
実際に、最近のネットユーザーであるとか
オタクの若い子たちの雰囲気って、
だいたいあんなぐらいオープンになっているのだと思う。
まぁよく知らんけど。
②オタクからみたリア充への羨望
前置きが長くなってしまった。
オタクの話をすると、つい長くなってしまう。
14歳の頃、常々感じていたのがリア充への嫉妬だ。
14歳どころかもっと前の、
性に覚醒したあたりからそんな思いが強くなった。
「なぜ俺はモテない?」
そんな思いが24時間365日頭の中を駆け巡っていたような
そんな青春時代だった。
女と当たり障りのない会話をし、
じゃれ合うリア充たちが羨ましくて仕方がなかったと記憶している。
そして僕にはそれが出来なかった。
一切できなかった。
そんなリア充への憧れは、
17歳でギターを手にした瞬間に
どこかへ消えてしまったのだけれど、
それはまた別の話だ。
リア充に憧れるオタクだったあの頃、
藁をもつかむ思いでリア充に近づこうとしていた。
「あいつらの話し方を真似ればモテるのか?」
「あいつらの雰囲気ってどうやれば出るんだ?」
今となってはそんなもんどうだっていいんですが、
当時は必死こいて考えたものだ。
なにせ、参考にできるもんがあまりに少ない。
そんな中、
オタクたちの喋り方に強烈な影響を及ぼした作品として、
僕は『銀魂』の存在ってものすごいデカいと思うのだ。
③オタクの喋り方
オタクは喋りがてんでダメだ。
僕もダメだ。
14歳当時の僕は、
そりゃもう典型的なオタク喋りで、
早口で滑舌の悪い、
「コポォwwww」みたいな笑い方で
典型的なクソザコだったわけです。
そんななか、
曲がりなりにもリア充に近づきたいと思う一心で、
テレビの中の芸能人だとか、
喋りの上手な人間を参考にするも、
なかなか難しい。
そんななか、
口語体に近い文体で、
テレビの中のお笑いにほど近いギャグ要素を持った
『銀魂』という作品が、
オタクたちに与えた影響ってほんとデカい。
ホモ好きな大人のお姉さんたちを量産した、
というのも影響としちゃ大きいわけですが、
当時リアルタイムで銀魂を読んでいたオタクのガキどもは、
こぞって
「あんな喋り方をすれば俺達だってリア充っぽくなれる」
と錯覚したんじゃないかと思う。
多分。
未だに同人イベントなんか行くと、
銀魂喋りの女子とかいるじゃないですか。
痛い女オタクの典型みたいに語られることも多いです。
なんでこんな記事を書いたかっていうと、
「ああ、あのしゃべり方って羨望の気持ちだったのかもなぁ」
と妙に感慨にふけってしまったからです。
自分のガキの頃を思い出しながら。
僕自身、銀魂についてはすごく好きでなので、
銀魂をディスっているわけではありませんのであしからず。
オタクの喋り方の話です。あくまで。
④立って歩け 前へ進め あんたには立派な足がついてるじゃないか
結局のところ、
オタクというのが何なのかと考えると、
それはもう「性分」なんじゃないかと思う。
そんな風に改めて最近思うようになった。
オタクであることを恥じていた青春時代、
しかしオタクから逃れられなかった青春時代を鑑みると、
自分は自分にしかなれないのだと思う。
そして、
「好きなもの」を自分で否定するというのは間違っている。
そういう風に思う。
好きなものが多くて困ることは、
実はそんなにない。
他人の目なんて、所詮は他人の目でしかない。
人の趣味に本心からどうこう言う人間なんて、
10人いて1人いるかいないかぐらいなもんなのだ。
多くの人間は、
雰囲気だとか空気といった実体のないものを根拠にして他人を批判するのだけれど、
そんなもんよりも自分の感覚を信じたほうが良い。
自分に対する根拠のない自信というものを、
僕はギターという武器と共に得た。
なんかひとつそういうのがあるといいですよね。
明日も頑張ろう。
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