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中川淳一郎氏の語る「他人」論が素晴らしい

公開日: : 最終更新日:2016/01/16 人生について

他人に期待しすぎる人たち

もう僕の言いたいことなんてあますところなく言われている感じなので、ここでこの記事は終了して解散、風呂入って寝るぐらいの勢いなんですけど、せっかくなのでもう少し「他人」への依存関係について。

 

ここ10年くらいか、ネット上でもリアルでも、何かを高く評価する際に「これはマジ神!」みたいな物言いをする連中が増えた。僕はそれがどうかしてると思っていて、そういう言葉遣いは頭が悪くなりそうなのでしないことにしている。

 

ちなみにそんな風潮については、2009年あたりに大槻ケンヂがネタにしていた。

 

つまり、「神」という言葉が、他人への無遠慮な妄信のような感情をはらんでいるように思えるのですね。それを喝破した歌詞が『林檎もぎれビーム』だったといえます。

 

他人に期待することも、これと似ていると思うのです。ネット上や漫画、映画や音楽なんかでも、自分が大好きなものを「神」とか表現したり、そういう風に過度な信頼を寄せすぎる。そうしていくうちに、どんどんと他人への期待が高まって、掌返したりなんだのというはめになったりするのです。

 

ネット上のつながりが希薄なものであるということは思いませんけども、インターネットを使うことでより、感情が丸出しの状態で表現されるようになったので、他人への期待と失望が露出しやすくなったように感じております。

 

 

他人に期待しないことは、孤独ではない

僕はひとりで何かをするのが好きで、きっとこれからもその気質は変わらないんだろうなぁと、ぼんやり考えています。それは、もとから持っていた性分も多少は原因としてあるのでしょうが、おそらく後天的な理由でそうなったんじゃないかなーと最近考えている。

 

別に幼少期にトラウマがあってどうのこうの、という話ではない。大学のころはイヤというほど他人と一緒にいたし、それも楽しかった。

 

でも、その時間があったからこそ、孤独でいることの利点であるとか、必要性を深々と認識できるようになった。結局、漫画描いたり音楽作ったりブログ書いたりという作業をするにあたって、孤独な状態で取り組むのがいちばんよいと考えている。それが今現在、自分のもっともやりたいことであるから、だからこそ今自分は孤独でいなければいけないし、いたいと考えている。

 

何度も紹介していますが、『孤高の人』。

他人との関係を極端に隔絶することで、自分と向き合い続ける物語です。

 

他人との作業には、どうしたって他人への期待が付きまとう。「あのひとなら出来るだろう」とか、「いつまでに作業してくれるだろう」みたいな期待。でもそれは、あくまで予測でしかない。もっといえば、他人の考えてることなんてまったくわからないのである。

 

ドイヒーな言い方をしてしまえば、他人に期待するということは、自分の都合のいいように他人が動くという「可能性」を、ご都合主義で信じていることでもあるのです。

 

 

だからこそ他人

だからこそ、という話になるのですが、他人との関わりが上手くいった時はある種の奇跡みたいなもんだと感じます。違う両親から生まれて、違う環境で育ち、セロリが好きだか嫌いだかで食ってきたものも一つずつ違うから身体の組成も違うし、考え方もまるで違う。

 

だからこそ、他人は他人なのです。そこに期待することは、奇跡を期待するのに等しい。

 

でも、だからこそ人間関係って面白いし、人間が描けている漫画や映画なんかに僕は感動するんだなーという風に思います。

 

そういうのを見ると、他人に期待こそする気はなけれども、決して絶望的な孤独感を抱くこともないのです。

 

他人は他人で、どっかで他人なりの人生を生きている。自分もまったく一緒なのです。それでいいじゃねーかと思う。

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