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漫画のネームが進まない!!という時の3つの対処法

公開日: : 最終更新日:2017/10/25 漫画について ,

漫画のネームが進まない。どうにもこうにも行き詰まってしまう。

 

漫画を描いたことのある人間ならば、おそらく誰もが直面する問題です。

 

今回は、漫画のネームが進まない時の対処法を考えてみましたよ。

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漫画のネームが進まない時の対処法① とりあえず1作を描き切って次へ行く

これは自慢ですが、一か月で358ページ、ネームができていました。適当に数えたので正確な数字かはわかりませんが、そんぐらいです。

 

というわけで1日7ページ、プラス1週間に13ページの連載漫画のネームを作りつづけて1か月が経過しました。

 

 

去年ぐらいまでの僕は、ネームに時間がかかるのを何とかしたくて仕方がなかったのです。

 

1ページに1時間とかザラで、ひどい時は一晩徹夜して作業したのに5ページくらいしか進まなかったり。

 

そんなペースだったので、さっぱり作品なんか作れず。

 

 

ということで一念発起しまして、「とりあえず名作なんか作らんでいいから、めちゃくちゃネームこなしてみよう」と決意したのが1月の頭。

 

というわけで1日7ページのネームをやり続ける、という生活をスタートさせました。

 

今のところ、読切が7本分出来ました。

 

 

とりあえず漫画の体裁は保っており、破たんというほどの破たんもないのかなぁと思います。

 

で、1作のネームが完成したら、それにこだわらずに次のプロットとネームをはじめるようにしました

 

描き終わったネームが、「あそこ直したいなー」となるような結果でも、構わずに次

 

完全な「質より量」作戦です

 

 

思うに、自分を含めた漫画描きの大半が、「最高で無敵で完璧ィ!」みたいな1作品をつくることに執着します。

 

そんなん無理です。

 

出来る人もいるかもしれませんが、少なくとも自分にそういう能力とか、そういう作劇の魅力の出し方は、とうぶん出来そうにないと思います。

 

なので、物語に穴があっても、そこをぶっ飛ばすような爽快感であるとか、妙なパワーとか。

 

とりあえずは、読者を楽しませるネーム、というのに重点を置いてひたすらにネームを仕上げていました。

 

 

とりあえず1作をどうにかして完成させる。

 

未完で放置する、というのがいちばん読者への裏切りなんじゃないか、と僕は思うのです。

 

だからこそ、とりあえず着地させる。そういう練習のひとつでもあると考えています。

 

着地の仕方なんて、きれいだろうとすっ転んで骨折るようなスタイルだろうと、とりあえず終わらせて、「あぁよかった」と思わせるような。

 

そんな感じでいいんじゃないかと思っています。

 

 

漫画のネームが進まない時の対処法② やり方を変えてみる

一日7ページのネームを進めるにあたって、今まで試してなかった方法をやってみようと考えました。

 

そのひとつが、プロットとセリフ表の作成です。

 

『荒木飛呂彦の漫画術』の内容にもあった方法ですね。

まだ読んでない方はぜひ一読を。すごくわかりやすくてよい教科書です。

僕は新書で1冊、そのあとなぜかKindleでもう1冊買うという暴挙に出てしまいました

そんぐらい肌身離さず持ちたい本でした。

 

という宣伝はさておき、ネームにうつる前の作業について。

 

いままで、「ネームはライヴ感や!」と意味不明な供述をしながらネームをはじめては、延々行き詰まるという結果に終わっていた僕でした。

 

しかし、セリフ表やプロットを作ってからは、驚くほどにスイスイネームが進むことを発見

 

そういう作業をつづけるうちに、「自分ってセリフ考えるのにけっこう時間食ってたのかも」と気づきました。

 

 

こんな風に、それまで当たり前にやっていた方法論をチェンジしてみることで、重大な発見が出来るということも考えられます

 

それはもしかして、新しい本を買うことによって学べるかもしれませんし、本棚のスミに放置してる参考書から学べることかもしれません。

 

 

そもそも僕が1日7ページ、と枚数でペースを決めたのも、村上春樹のインタビューからでした。

 

 「僕のマックの書式だと、二画面半で十枚。書き終わると、九時から十時ぐらいになります。そうしたら、もうやめてしまう。即やめる

「(そこから先は)書かない。もう少し書きたいと思っても書かないし、八枚でもうこれ以上かけないなと思っても何とか十枚書く」

もっと書きたいと思っても書かない。もっと書きたいという気持ちを明日のためにとっておく。それは僕が長距離ランナーだからでしょうね」

【村上春樹の作家生活】より

 

これについて「ワーオ!」と思ったときに、記事も書いたぐらいです

 

ピカソも、「芸術家も労働者と同じような忙しさで製作をすべきなのである」みたいなことを言っています。多作家ですしね。

 

 

漫画やイラストは、「思いついたらすごい勢いで描き上げる」みたいなスタイルが一般的、みたいな印象あります。

 

ですけれども、そういう考え方以外にも、やりようはあるんだなと考えてみたら、けっこう視野が広がるんじゃないかと思うのです。

 

 

これはネームの描き方についても言えますが、ひいては漫画に登場する要素だとか、そういうものへの根本的な思い込みを打破するのにも役立つ考え方なのかもしれません。

 

 

漫画のネームが進まない時の対処法③ 酒飲んで寝る

それなら毎日やってんぜ! と胸を張ったあなた、今日はネームしましょう。

 

でもまぁ、実際多くのひとが「こりゃもうだめだ」と思ったとき、酒を飲んで寝るのだそうです。

僕の敬愛する漫画家・山田玲司が『絶望に効く薬』で数多くの人間にインタビューした結果、

 

「ダメな時は酒飲んで寝る」がかなり多数派だったよ、とニコ生で話していました。

 

偉人と呼べるレベルで結果を出した人々も、じっさい同じ人間なんだね!ワーイと思えると、なんだか頑張る気になりませんかね

 

 

さいごに

いろいろ悩んだとき、最近僕が思い返すのは東村アキコの『かくかくしかじか』です。

 

東村先生の恩師として登場する日高先生の言葉。

 

「描け。」

画像はこちらからお借りしました。

 

 

それでいいのか、と心が軽くなるような気が、しませんか。


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この記事を書いた男・カルロス袴田の漫画はこちら↓

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