クリスタEXにする利点はやっぱ「線画抽出」でしょう!
クリスタをEXにする利点は、何といっても線画抽出機能でございましょう。先ほどクリスタEXに乗り換えたカルロス袴田です。
もうこれがやりたくて仕方なかったのです。そんなわけで、クリスタEXにアップグレードして10分も経っていない僕が、クリスタEXの利点を語るよ。参考にならねー!
端的にいえば、浅野いにおごっこができる。
写真をPCに取り込んで加工して加工して加工して漫画の背景として使う、そんな手法で緻密な背景を描くのがご存じ浅野いにお先生ですな。
( 画像はこちらより)
カカカカッコイイ。
某江口寿先生が、この写真取り込み手法をディスってツイッターが火の海になったのも、わりと記憶に新しいですね。花沢健吾先生なんかも、背景は実写取り込みですな。もうちょい古くなると、『NANA』で矢沢あい先生が使ってたのを覚えております。
『漫勉』浅野いにお回を視聴すると、「実写取り込みなんて手抜きやろ(フフン)」みたいなことは口が裂けても言えなくなります。実際、浅野いにお先生はかなりの枚数の撮影をしていましたし、ひとコマごとの加工にかなり時間をとっていました。
それでも実写取り込みがしたいのである
近年はコミPo!みたいなソフトを使って、もはや画力ゼロでも漫画が作れるという時代が到来しつつあります。来るべきニューウェーブ。実写取り込み程度であーだこーだ言ってる前に、実際にやってみたらよいのです。
というわけで、血の涙を流しながらクリスタEXにアップグレードしました。
なんと、クリスタEXを使えば、ボタン一発でかなりそれらしく背景が加工できるのです。
それが冒頭でもご紹介した、僕がいま描いてる原稿のひとコマです。
このソファは、クリスタでフリー配布されていたモデルを使用させていただきました。素材登録して、原稿に配置して、ポチっとしたら線画を抽出してくれます。
で、影にしたい部分をちまちまと描き込んでいったのが上の画像になります。僕が適当に描き込んだおかげで、見事に左右のひじ掛けのカドの角度が違いますね。実写取り込みをするうえでも、きちんとした画力が必要になるよ、といういい例です。
ちなみに浅野いにお先生はクリスタじゃなくてフォトショを使っていたような気がします。ソフト詳しくないのであんまりわかりませんでした。すんません。
実写取り込みの背景は楽じゃない
わかっていたことですが、やはり「楽をするためだけの実写取り込み」はかなりショボいです。手を入れて、きちんとした絵に仕立て上げる技術は必要です。だって、かなり単純なかたちのソファでこれだぜ。浅野いにおみたいに商店街とか描いた日には、右手がはじけ飛ぶかもしれません。
まぁ、楽しいからいいのですが。とにかく、100%手抜きの手法じゃないということをお伝えしたいのです。これから原稿描くうえで存分に使っていきたいと思います。
この線画抽出機能、僕みたいな背景アレルギーレベル80の患者にとっては、かなりのアシストにもなるのです。これからはスマホのカメラくんが縦横無尽に活躍してくれることでしょう。
僕だって、黒田硫黄とか西村ツチカみたいなクールで繊細で大胆な絵が描けたら別ですが、まだまだ修行が足りません。
サンプリング文化
なんとなく、背景の実写取り込みという手法はヒップホップでいうところのサンプリングと似たような発想な気もします。もっといえばアートの文脈でのコラージュなんでしょうけど。
もしくは、シンセサイザーが誕生した時の「機械が演奏するなんてイカンでしょ」という気持ち。そんなタブーに一歩 踏み込んだような、そんな気分でございます。
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