全身を「好きなもの」で満たすと、外に噴出する。
公開日:
:
最終更新日:2016/01/16
人生について
ものごとを上達させるために、効率のよい練習や勉強の仕方を求める人は多い。でも、究極的には、「いかに時間をつぎ込んだか」が大事なんじゃないかと最近思う。
「1万時間の法則」というのもありますし、僕はまず「時間」が上達の鍵なのではないかと思う。
頭の中でえんえん鳴り響く音楽
僕は音楽が好きです。外を出歩くときは、だいたいイヤホンでなにかしら聴いている。
音楽が好きだなーと感じたのは11歳の頃で、ギターに触れたのが17。楽器を持ち始めてから、音楽の存在が自分の中でどんどんデカくなっていった。大学に入ってからは、4年間ぶっ通しでコピーバンドばかりしていた。1年のうち半分くらいは音楽やバンドのことを考えていた。おかげで散々な成績で卒業したわけですが、得たものはあったと思う。
音楽のことばかり考えていたせいか、僕の頭の中では「気が付いたら何かの音が鳴っている状態」になった。割とマジで。他人がつくった曲が流れることもあるし、自分で考えたフレーズが鳴っている時もある。
そのおかげか、たぶん時間さえとれば1日1曲ぐらいは製作できると自負している。ただ、他にやりたいことがあるのでやりませんが。
全身を好きなもので満たす
こんな頭の中になってしまったのは、たぶん長い時間を音楽に割いてきたからだと思う。アマチュアなりに、音楽というものへ愛情を注ぎ続けた結果。
最近思ったのは、ものごとが好きで上手になる人というの頭は、こういう状態なんじゃないかということです。とにかくそのジャンルが好きで、一日中でも考えてられる。その結果、全身が好きなものでいっぱいになる。たっぷんたぷん。
プロゲーマーのウメハラも、「他人よりも長く多く練習し続ける」ことを、彼自身に課している。漫画家・羽海野チカも、作家の才能とは「作品に人生を奪われ過ぎてしまった」ことであると語っている。
↓羽海野チカインタビューはこの本で読める
「好きこそものの上手なれ」という。つまり、上達にいちばん必須なのは時間なんじゃないかと、結論づけるに至ったわけです。
時間をとってみよう
最近、ネームのことばかり考えている。気づいたら、空中をぼんやりと眺めながら、アホ面でコマ割や展開、キャラ同士の掛け合いについて想いを馳せている。
思えば今まで僕は、漫画については短期集中で取り組んでいたように思える。いつもいつも、締切直前になって原稿をアップして、まわりに迷惑をかけていた。そして、「自分は本気を出せばなんとかなるぜ、ふぇ~い」みたいなウンコ理論で自己防衛し続けた。割とほんまもののクズ。それが僕だ。
でも当然のことですが、まったく走らない人間がたまに全力で走るよりも、毎日長距離走のペースで走る奴がたまに全力疾走するほうが、実力は伸びる。だったら走ったほうがいい。別に、他のことなんて些細な問題だ。良い漫画が描ければよい。
結局、自分より漫画が上手い人間は、自分より漫画のことを多く考えて、自分より漫画を多く描いている人間です。それはつまり、僕よりも漫画に人生を割いているということに他ならない。そこに肩を並べるためには、自分も作品に人生を割けばよいのだ。単純な話。
そして、時間をつぎ込むという行為は、案外裏切らないものだと思う。生活にはダラダラした時間がけっこうある。スマホのゲームやったり、1日何回もSNS眺めたり、そういう時間をどんどん重要な部分にまわしていけばいい。もちろん休憩はした方がよいのだけれど、とにかく時間を好きなことにつぎ込んで、純化させていく。
そうすると、頭の中が好きなことで満ちていく。これは強烈にハッピーだ。皆さんにもぜひ体感していただきたい。
たぶん、作品というのは、「好きなもので満ち満ちた頭から、ドロっと漏れ出てきた何か」なのかもしれない。
関連記事
-
「年上が年下に使う敬語」があまり好きではないんだ。
社会に出て数年経ちます。そんな生活のなか、年下の後輩にも敬語を使って話すことが多々ありました
-
ビールは昼に飲んだ方がいい。健康のためにも
酒は夜に飲むもの、と誰が決めたのであろうか。 ビールなんてピスだ、(略
-
「面白さ」を絶対的な基準と考えて図解してみたので見てくれ。
面白いものを作る人は、本当に世の中にいっ
-
作業用BGMのススメ 原稿・イラスト作業のBGMを決めるぜ
(画像はこちらよりよりよりより) ボッピロマプリレッテュラ(ご無沙汰してます)、カルロ
-
雑な性格を直す必要はあるのか?
日々、なにかといえば大雑把にものごとを考えている。 雑な性格というものわり
-
お金がないと生きていけないんだろうか?
我々はなぜお金がないと生きていけないと考えるのだろうか。 たしかにお金は大事である。 お
-
時間がないのか、捨てているのか――時間の使い方・作り方
以前魂を腐らせる習慣について書きました。 僕は日中、仕事をしてその
-
仕事が寿命の安売りに思える時
By: Sean MacEntee[/caption] サラリーマンのお話です。 &n
-
たいていの悩みは残念ながら、金で解決できる
By: Pictures of Money[/caption] たとえばあなたの傍らに、10
-
右上がりの字を書く人の性格
By: Caleb Roenigk[/caption] かつてまだ僕が小学校のころ、教師に言