BPMが「遅くなる」ポップ音楽たち
カルロス袴田です。ボカロPです。
最近、メインストリームの楽曲のスピードが「遅い」と思ったので記事にします。
(注:遅いとか速いとか、一概にどっちが良い悪いの話ではないよ。)
遅いバンドミュージックたち
まずは「遅い」メインストリームっぽいものを挙げてみます。ドン。
まずロン毛にびっくりなんですけど、音的にもグループサウンズみたいで良いですよね。never young beach。
ボーカル(安部勇磨さん)の野太い声がまた、時代錯誤感を感じさせて良いです。
少し脱線しますけど、最近のバンドでの男性ボーカルといえば高音出してナンボ的な部分がありました。
ユニゾンスクエアガーデンとか、フォーリミとか、セカオワとか。中性的な声。
まぁボーカルの話はまた別の機会に書くとしまして、楽曲のスピードの話です。
次はCMでも有名なSuchmos。曲は別です。
遅いね。
曲を遅くすることによって、それぞれメロディや曲の行間の味わい、どっしりしたグルーヴ感などを強調できているように思えます。
クラブミュージックはもっと遅い
一昔前にダブステップ(ブロステップ)といったジャンルを爆発的に流行させた立役者のひとり、Skrillexの楽曲も遅いです。
遅いね。そして激しい。
バンド音楽の低速化が、ゆったりとしたグルーヴのものを増やす方向へのシフトと考えるならば、クラブミュージックの低速化はよりコアな「激しさ」の強調を目的としているように思えます。
とくに最近のクラブミュージックで顕著な、サビ的な部分(ブリッジ)でテンポを半分にする「ドロップ」という手法が定番になっているのも面白いです。
速いひとたちもいる
未だに9mmは速いです。もう伝統芸能です。
このバンドに関しては「速い」ことを楽しんでいる部分もありますので、速くて当然な感じもあります。
クラブミュージック界からはゆーしえ(YUC’e)さんをご紹介しておきます。
速い曲ばかりではないですが、速いのがお好きなのだろうなと思います(違ったらスミマセン)。
こんだけ高速に展開するなかで詰め込まれ練られたサウンド、そしてバッキバキのドロップ。素晴らしいですね。
おわり:遅いと「手数を増やせる」
遅い曲と速い曲を紹介してまいりましたが、両者それぞれに魅力があります。
主観ですが、遅い曲は今後メインストリームに次々と現れるのではないかと思います。
ボカロ新クラシックである『妄想感傷代償連盟』なんかは、そのゆったりとしたグルーヴにサンプリングされたギターの絡み方が絶妙です。
こういうサウンドを速い曲でやろうとすると、凄まじくカオスなことになりがちです。
遅いテンポの利点ともいえると思います。手数を増やしやすいのです。
そもそも速い曲も遅い曲も「限られた時間に詰め込みました」という思考錯誤の結果としては同じものなのです。
BPMが100だろうが200だろうが1秒は1秒ですし、あくまでそれは体感によります。
要はノれるか、気持ちがいいか、といった点のみが問題なわけですね。
で、速くなくてもノれるよね、という気持ちを呼び覚ましてくれたのが遅い楽曲たちなのでした。
というお話しです。
以上!
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